| 原題 | 2046 |
|---|---|
| 製作年 | 2004 |
| 製作国 | 香港 |
| 監督 | ウォン・カーウァイ |
| 脚本 | ウォン・カーウァイ |
| 撮影 | クリストファー・ドイル、 クワン・プンリョン、 ライ・イウファイ |
| 出演 | トニー・レオン、 木村拓哉、 チャン・ツィイー、 フェイ・ウォン、 コン・リー、 カリーナ・ラウ、 チャン・チェン、 スー・ピンラン、 マギー・チャン |
未練と喪失、プラトニックと欲望
かつて愛した女性との過去
囚われた思いが渦を巻き
やがて生まれた2つの物語
個人的ウォン・カーウァイ特集 8作目
『欲望の翼』に端を発したウォン・カーウァイの着地点📽️
2重構成の物語と複雑な時制、登場人物に対する解釈が非常に難解なので、何度か観ないと理解できませんが、「過去や悔恨から逃れようとするほど囚われ、過去と共に生きようとするうちに解き放たれる」という人間心理を描いたんだと思います😐
香港返還後、一国二制度を約束した50年後を表す”2046″。
映画に政治的な意味はないそうですが、変化の節目を表す象徴の数字として扱ったのでしょう。
多くの人は気づいていますが、この物語はSF映画ではありません。
自らの人生をSF世界に置き換えることで、自己を捉え直した映画です。
もしかしたらウォン・カーウァイ自身が過去を捉え直そうとしたのかもしれません。
シンガポールでの日々を終え、チャウ・モウワンは香港へと戻ってくる。
(なぜシンガポールに行ったのかを知りたければ『花様年華』を観て下さい)
滞在先は古く寂しく多様な人々が集まるホテルだ。
唯一の逃げ場である屋上は、行き止まりで先には進めない。
そこは幸せな人々が集う場所ではなく、すぐに通過するか、さもなくば何年も閉じ込められる。
そして激動の香港で記者という立場にありながら、現実逃避をして小説を書いている。
2046年という “何も変わらない世界” に想いを馳せながら。
チャウは自分の人生で出会った人物や出来事を物語に織り込んでいるが、物語を書くことで自分自身の問題を解決しようとしていることに気づかない。
しかし、最終的にはそれに気づき、過去の未解決の出来事に対処するために、空想上の未来に心を投影しているのだと悟る。
『花様年華』が終わる前から撮影開始し、大幅に遅れて完成まで5年。
それだけ想いの詰まった映画という気持ちは何となく伝わりました。
ここで一旦 カーウァイの映画は終わりで、以降の2作は “チャレンジ” や “やりたかったこと” を実現するためだったと思っています😪
https://twitter.com/cinematographjp/status/1566705943274221569?s=20&t=OJrkyjBXD9BeeSkPewmVGA
