リバー・ランズ・スルー・イット

原題 A River Runs Through It
製作年 1992
製作国 アメリカ
監督 ロバート・レッドフォード
脚本 リチャード・フリーデンバーグ
音楽 マーク・アイシャム
出演 クレイグ・シェイファー、 ブラッド・ピット、 トム・スケリット、 ブレンダ・ブレッシン、 エミリー・ロイド、 ジョセフ・ゴードン=レヴィット

自然、宗教、家族。
あらゆる愛に包まれていても世の中には救えない人がいて、それは意外と身近だったりする。

なぜ助けが必要な人ほど差し伸べる手を拒むのか。彼らは我々の腕の間からすり抜けていく。

それでも愛するのです。理解はできなくても、ただ愛することはできる。

大自然に身を委(ゆだ)ね、思い通りにならない自然の摂理を実感する。
宗教の教えを聞き、神と対話し、その教えと教訓を学ぶ。
将来を憂う家族の愛に、厳しくも優しく包まれる。
それでも何かに導かれるように軌道を外れ、戻れない壁の向こう側に行ってしまう人がいる。
現代社会の枠組みにおいて、無軌道さを併せ持つ人間は自然も神も家族も救えず、残された者は悔恨と哀しみを胸に思索を続け、雄大な川の滑らかな石の底に刻まれた言葉を探し続ける。

この映画はとても素晴らしい。
それは目の前で起きていることではなく、何も起きていない時間にこそ語るべき豊かさと美しさがあり、むしろそちらの方が本題だからだ。
原作小説を見事に映像化したロバート・レッドフォードは、やはり素晴らしい監督です。

ブラッド・ピットはこの映画で一躍有名になり、長年に渡るキャリアを確実なものに。
そして長男の子供時代を演じていたのはジョセフ・ゴードン=レヴィットでした。

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