大統領の陰謀

原題 All The President’s Men
製作年 1976
製作国 アメリカ
監督 アラン・J・パクラ
脚本 ウィリアム・ゴールドマン
音楽 デヴィッド・シャイア
出演 ダスティン・ホフマン、 ロバート・レッドフォード、 ジャック・ウォーデン、 マーティン・バルサム、 ハル・ホルブルック、 ジェイソン・ロバーズ

1972年に起きたウォーターゲート事件を、実際に事件を担当した貴社の手記に基づき、事件のわずか4年後に映画化。
他の多くの「新聞映画」もリアリティに富んでいるが、これはすべて事実ベースなので内容に嘘は無い。
ただロバート・レッドフォードとダスティン・ホフマンが主演しているので、なぜだか作られたストーリーに見えてしまう。
そういう意味では、配役は超メジャー級でない俳優の方が良かったのかもしれない。

とはいえ、これは見ごたえある歴史ドラマであり、腐敗した政治とジャーナリズムを描いた見事な映画です。
映画的な “どんでん返し” は必要なく、真実を隠す多数の関係者に対し、真実の糸口を掴もうと2人の記者が息つく間もなく全力で走り回る姿をテンポよく映し出す。
事実がそうだからしょうがないが、出てくる関係者がやたらと多いのだ。
駆け足で彼らに出向き、ひたすら取材を繰り返す。ほとんどが場面を変えての会話劇。その会話から緊迫感やプレッシャーが伝わってくる。
この手の映画は受け取る情報量が多くて途中で置いていかれそうになるが、歴史を知っているので最後はどう終わるか分かる安心感があり、その点でも緊迫感重視の展開で引っ張ったのが良かったのかもしれません。

そして謎のおじさん「ディープ・スロート」。
知らないで見ると「誰これ?」となり、映画用に差し込まれたナビゲーター役だと勘違いしそうですが、実在のキーパーソンなんです。

アカデミーでは助演男優賞(ロバート・レッドフォードでもダスティン・ホフマンでもない)を含む4部門(脚色/録音/美術)を受賞。
監督の アラン・J・パクラ は「コールガール」や「ソフィーの選択」でも、主演女優賞(ジェーン・フォンダとメリル・ストリープ)を輩出しています。

 

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