炎628

Иди и смотри/Come and See
製作年 1985
製作国 ソ連
監督 エレム・クリモフ
脚本 アレシ・アダモヴィチ、 エレム・クリモフ
音楽 オレーグ・ヤンチェンコ
出演 アレクセイ・クラヴチェンコ、 オリガ・ミローノバ、 リューボミラス・ラウウチャビシウス、 ブラーダス・バグドナス、 エヴゲニー・ティリチェーエフ、 ビクトル・ローレンツ

映画製作者たちは暴力を非難しているにも関わらず、それを濁したり美化す​​ることなく描いた戦争映画はほとんどありません。
この映画は戦争と暴力を真正面から描き、救いも無い。

昨日観た『』と同様に、主人公の少年は無邪気に銃を掘り当て、敵を倒すことに強い憧れを抱き、従軍することに強い希望を抱いていた。
しかし、戦争には甘美さも高潔さもなく、想像を遥かに超える死よりも悲惨な運命が存在することを悟る。

 

原題はヨハネの黙示録に由来している。

第四の封印を解くと、獣の声が『さあ、見よ』と言うのを聞いた。
見ると青白い馬がいて、乗っている者の名は “死” といい、”地獄” がそれに従っていた。
そして、彼らには地の四分の一を支配する権威が与えられ、”剣” と “飢え” と “死 と “獣” で人を殺す権威が与えられた。

この映画は第二次大戦中、ベラルーシで起きたドイツ軍の虐殺に基づいている。(実際はドイツ軍に指揮されたウクライナ人によるもの)
だが実際の暴力的なシーンは中盤以降で、前半は少年の愚かな行動・過ち・悔恨、そして一瞬の安らぎを描く。
数々のシーンが非常に “映画的” で、その描写と展開の上手さに息を飲む。
重苦しい時間が過ぎていく中、雨の中で突然グラーシャが踊り出すシーンは幻想的で、一瞬だけ戦争という時を忘れさせてくれる。
(滑る小さな石の上で披露する複雑で華麗なステップ!)

Olga Mironova
動画リンク

でもそれも一瞬だけ。
自宅に向かうことで、ストーリーは残虐的な後半へと切り替わる。
この時、謎の鳥が森からずっと着いてくるが、一体何の象徴なのだろう?

そして後半は少年の狂気と戦争の狂気を、真正面から描く。
人間の悪をこれほど容赦なく描いた映画は、滅多に観たことがない。
恐怖によって顔が変わっていく主人公が目にするものから、目を逸らしてはならない。
また、少年の視界に入っていない恐怖からも、目を逸らしてはならない。

ラストで少年は記憶を消し去ろうとヒトラーの肖像画を撃つ。
そこで時間が巻き戻り、最後の映像で主人公はどうするのか?
救いの無い映画ですが、最後の最期だけ “希望” が見て取れます。

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