| 原題 | Des Teufels Bad |
|---|---|
| 製作年 | 2024 |
| 製作国 | オーストリア・ドイツ |
| 監督 | ベロニカ・フランツ、 セベリン・フィアラ |
| 脚本 | ベロニカ・フランツ、 セベリン・フィアラ |
| 音楽 | ソープ&スキン |
| 出演 | アーニャ・プラシュグ、 ダービド・シャイド、 マリア・ホーフステッター |
この映画はゴシックホラーでもサスペンスでもなく、”閉鎖的な社会と宗教観によって精神的に追い込まれた女性たち” を描いた社会的な映画です。
原題は映画の舞台にもなっている18世紀のオーストリアで使われていた「鬱病」を表す俗語で、鬱の人は “悪魔の風呂” に浸かった者だと思われていたという現代なら相当悪意を持った例えから付けられています。
また、エンディングで説明される通りプロテスタントもカトリックもキリスト教は自殺を認めていないため、17〜18世紀のヨーロッパでは死にたい者は死刑になるために人を殺したそうで、記録に残されただけでも数百あり、そのほとんどは女性だったと言われています。
なぜなら自殺だと劫罰が下り “地獄行き確定” ですが、他者を殺めても告解で罪が許されて天国へ行けたから。
宗教の大いなる矛盾ですよね。
世の中から逃げようと
逃げたかった
ただ逃げようと
主人公の女性は、もしかしたら完璧主義者だったのかもしれません。
だから社会が求めるものを満たすことができないと気付いた時、絶望感に満たされました。
彼女は常に自分が不十分で、自分が責められるべき存在だと考えています。
これは現代においても、高い基準や信念を持つ多くの人々が感じていることかもしれません。
共同監督のベロニカ・フランツ、とセベリン・フィアラは、アメリカのポッドキャスト番組を聴いて映画の着想を得ました。
『This American Life 』という番組で、カリフォルニア大学デービス校のキャシー・スチュアート教授が女性の自殺の歴史における “抜け穴” について触れていた回で、宗教的制約の影響で中世ヨーロッパの多くの女性がその抜け穴を見つけて実行に移していたと話していました。
被害者の多くは子供です。
なぜなら、当時のキリスト教では告解なく人生を終えても(=殺されても)、子供であれば天国に行けると信じられていたからです。
本当に残酷な話ですね…
では、これは過去の話で、もう終わった問題なのでしょうか?
さすがに子供を殺すことはしませんが、現代でも特に女性においては、社会的抑圧から精神的に追い詰められている人が大勢いるのかもしれません。
