原題 | Die Brucke |
---|---|
製作年 | 1959 |
製作国 | 西ドイツ |
監督 | ベルンハルト・ヴィッキ |
脚本 | ミハエル・マンスフェルト、 カール・ウィルヘルム・フィフィア、 ベルンハルト・ヴィッキ |
音楽 | ハンス=マーティン・マジェウスキー |
出演 | フォルカー・ボーネット、 フリッツ・ヴェッパー、 ミヒャエル・ヒンツ、 フランク・グラウブレヒト、 カール・ミハエル・バールツァー、 フォルカー・リヒテンブリンク、 ギュンター・ホフマン、 コルドラ・トラントフ |
『戦場にかける橋』と同様に、戦争の無意味さを子供たちの目を通して描く。
『戦場にかける橋』ではイギリス軍が壮大な橋を架けたが、今回の舞台となる橋はドイツ寒村の今にも壊れそうな小さな橋。
少年たちは無邪気だ。
戦争がすぐそこに迫っていても、その恐ろしさに全く気付いていない。
だから召集令状が来ても、嘆く親を尻目に「やっと戦場に行ける」と喜び勇む。
周囲の大人たちが戦争末期の日々を生き延びる方法を必死に模索する中、少年たちは自らの運命へと突き進む。
そして訓練1日目にして過酷さを知り、2日目の早朝には戦場に赴く。
と言っても、前線に出れば必死かつ足手まといなので、上長の配慮で “近所の小さな橋の護衛” に。
そこに居れば死ぬことはない “はず” だった。
無能な警官が上長を銃で撃つまでは…
これまで教えられてきたイデオロギーの全てが突如として覆される矛盾と混乱。
そこから運命の歯車が狂いだし、必要のない戦闘を自ら仕掛け、次々と命を落とす。
彼らを殺したものは何だったのか?
無名であろう俳優たちから素晴らしい演技を引き出したヴィッキ監督は素晴らしい。
少年が抱く英雄的幻想が現実の恐怖の前に崩れ去る様は、非常に説得力があり、これが初の長編作とは思えない。
戦争の無意味さと、若い命を愚かにも無駄にしてしまう愚行を、シンプルなストーリーと力強い描写で戦争末期のリアルを描いた反戦映画の佳作でした。