みじかくも美しく燃え

原題 Elvira Madigan
製作年 1967
製作国 スウェーデン
監督 ボー・ヴィーデルベリ
脚本 ボー・ヴィーデルベリ
撮影 ヨルゲン・ペルソン
出演 ピア・デゲルマルク、 トミー・ベルグレン

愛は幾つもの障壁を超え
永遠を夢見てロープを渡る
黒のスペードではなく
白い蝶になるために

人種と階級を越え、戦争ではなく愛と平和を願った2人、社会に追われ行き場を失う。
究極にロマンチックな描写は、完全なるアイロニー📽️

これは圧倒的に美しく描かれたボニー&クライドなのか。
妻を捨てた脱走兵の男と家出したサーカス娘の恋は、もし捕まれば “愚かで幼稚な行為” と失笑されたはず。
でも死を選ぶことで、永遠を夢見た儚い悲恋へと変化する。
では、この映画は一体何を賛美したのか?
“死” であるはずはなく、”不倫の愛” でもなく、それはきっと “愚かにも逆らえなかった人間の心” なのでしょう。
社会に逆らい、モラルやタブーに逆らい、理性に逆らい、そして最後は生にも逆らう。
だから我々が見たものは、愚かさの中の美しさだったに違いない。

何度も繰り返されるピアノ協奏曲が、前半は優雅に、後半は悲しく響く😢
モーツァルトのこの曲は、映画の反響で原題の「エルヴィラ・マディガン」と一般的に呼ばれるまでに。

そして、美しき主人公の名前を冠した原題に対し、邦題の響きもまた美しい🙂

https://x.com/cinematographjp/status/1708747356114747479?s=20

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