ゼロ・グラビティ

原題 Gravity
製作年 2013
製作国 アメリカ
監督 アルフォンソ・キュアロン
脚本 アルフォンソ・キュアロン、 ホナス・キュアロン
撮影 エマニュエル・ルベツキ
出演 サンドラ・ブロック、 ジョージ・クルーニー、 エド・ハリス(声のみ)

宇宙は孤独
真空は恐怖
無重力は不安
なぜ生きることを選んだのか

これまでのSF映画の常識を超えた体験型SNF映画!
ストーリーはフィクション。でもサイエンス的には、もはやノンフィクション(=SNF)。
スピルバーグ監督、ジェームズ・キャメロン監督も称賛した特殊撮影を実現したのがアルフォンソ・キュアロン監督というのは意外ですが、実はキュアロン監督の父はIAEAにも所属した物理学者と聞けば納得。次弟は映画監督で末弟は生物学者と、映画&学者一家なんです。

サバイバル映画だけど、テーマはスリルではなく「ジョージ・クルーニーはやっぱり良い奴」。
ではなく、 “生きようとする人間の精神”
「もう無理でしょ…」という状況が次から次へと襲い掛かり、観客が先に諦めるがサンドラ・ブロックは諦めない。
無重力を体感できる映像だけでなく その精神面への没入感 こそ、この映画が描くテーマ。

登場人物は2人だけ。しかも大半はヘルメットを被った状態。ストーリーも見慣れた宇宙のサバイバルもの。
「ヒットしない要素満載」という理由から企画にOKがでず、GOサインが出るまで相当難航したそうです。
そして、いざOKが出ても、今度は映像を実現する手段が無い…
ということで企画開始から4年半の歳月を掛け、最新の撮影技術を幾つも作り出し、ようやく実現可能な環境が整う。

また、俳優を待ち受けたのは「何も無い機械設備の中で、宙づりになりながら延々と演技する」こと。
それをあの緊迫感で再現したサンドラ・ブロックはもっと称賛されるべきで、彼女の人生ベストアクトだったと思う。
でもアカデミー主演女優賞に輝いたのは「ブルージャスミン」のケイト・ブランシェット。
あれがケイト・ブランシェットのベストアクトだったとは思わないし、後にも先にも彼女ならいつでも最高の演技ができる。
だから、(今後もうゼロ・グラビティを超える演技はないであろう)サンドラ・ブロックにアカデミー賞をあげたかったな…

そして、ジョージ・クルーニーはやっぱり良い奴でした。

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