ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語

原題 The Wonderful Story of Henry Sugar
製作年 2023
製作国 アメリカ
監督 ウェス・アンダーソン
脚本 ウェス・アンダーソン
撮影 ロバート・イェーマン
出演 レイフ・ファインズ、 ベネディクト・カンバーバッチ、 デーヴ・パテール、 ベン・キングズレー、 リチャード・アイオアディ

“ウェス・アンダーソン” ワールド全開の短編映画。
アンダーソン監督が贈る目眩く(めくるめく)セリフと映像の旅は、このくらいの時間がちょうど良いかもしれません。

原作は、「チャーリーとチョコレート工場」の原作者でもあるロアルド・ダールの1977年の短編小説「奇才ヘンリー・シュガーの物語」。
“喪失感”、”はみ出し者”、”うまくいかなかった共同体” というアンダーソン監督の共通テーマと、ロアンド・ダールの小説はぴったりかもしれません。
この映画も “入れ子構造” というアンダーソン監督お得意の構成で、孤独だが満たされない主人公ヘンリーを描きます。

作品の主題は
・見方を変えれば人は変わることができる
・独占より分配
です。
インドで最初に「見えない物を見る力」を手に入れた人は、長年の鍛錬にもかかわらず奇術師としての人生しか歩めませんでした。
しかし、ヘンリーは短期間で自分の欲望のために力を手に入れますが、結果的に他者を助けることに目を向けます。
「元から裕福なことに加え、更に裕福になったから」かもしれませんが、ヘンリーは自分の才能と財産を独占せず、分配することで世の中がもっと良くなると気付きます。
原作は児童文学なので、本来はそのことを子供たちに伝えたかったのでしょう。

ちなみに『チャーリーとチョコレート工場』と同じ著者なので、Henry Sugarもチョコレート関連の取って付けた名前かと思いましたが、英語圏には普通にSugarさんがいるようです。蛇足でした。

 

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