原題 | Io Capitano |
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製作年 | 2023 |
製作国 | イタリア・ベルギー |
監督 | マッテオ・ガローネ |
脚本 | マッテオ・ガローネ、 マッシモ・ガウディオソ、 マッシモ・チョッケリニ、 アンドレア・タリアフェッリ |
音楽 | アンドレア・ファッリ |
出演 | セイドゥ・サール、 ムスタファ・ファル |
第80回ベネチア国際映画祭(2023)で銀獅子賞(最優秀監督)を受賞。
『ほんとうのピノッキオ』でCGのような実写世界を実現したマッテオ・ガローネ監督が、今回はピノキオではなく移民を目指して海を渡る少年のリアリティを描く。
(リアルと言いつつ、いきなりピノッキオのようなファンタジーが混じってきて腰を抜かしますが)
移民が日常問題になっている海外の方の評価も非常に高い作品。
でも個人的には今一つ乗り切れず…
なぜなら、過酷な不法移民の旅をドラマティックに描きすぎているから。
映画的にかなり都合よく描かれています。
また、陸地が見えて皆で喜ぶシーンで終わりますが、受け入れる側からすれば “彼らは招かれざる客” なのでは? と思ってしまうのは日本人だからなのでしょうか。
もちろん紛争や政治的理由で迫害を受けている人々を支援することは必要でしょう。
でも、この少年のように「家が貧しいからヨーロッパで有名になって一儲けするぞ!」はちょっと違う気がする。
セネガルは内戦もなく比較的平和な国。
それなら短絡的に命を懸ける選択をするより、まず国内で頑張ろうよと思ってしまいます。
軽すぎる動機ではなく、内戦を命からがら逃げ延びて…とかだったら、もっと感情移入できたと思います。