| 原題 | Kingsman: The Secret Service |
|---|---|
| 製作年 | 2014 |
| 製作国 | イギリス |
| 監督 | マシュー・ヴォーン |
| 脚本 | ジェーン・ゴールドマン、 マシュー・ヴォーン |
| 音楽 | ヘンリー・ジャックマン、 マシュー・マージェソン |
| 出演 | タロン・エガートン、 コリン・ファース、 サミュエル・L・ジャクソン、 マーク・ストロング、 マイケル・ケイン、 ソフィー・クックソン、 ソフィア・ブテラ |
ガイ・リッチーの盟友マシュー・ヴォーン監督によるスパイ映画。
イギリスらしく007を意識していますが、洗練されているのは表面だけで、アクションとしてもエンターテイメントとしても中身は遠く及びません。
イギリスは古くからの階級社会。
この独立系諜報機関も特権階級によって運営されている。
候補生もケンブリッジやイートンに通うお金持ちの子息ばかり。
そこに中流階級から労働者階級に落ちぶれた主人公が登場する。
彼はそこからどのように成長するのだろうか?
結果はなんてことはない。
優しくもダメな特権階級の面々が、主人公を紳士的スパイに仕立て上げ自分たちの階級へと導きます。
生地が上質だったから高級スーツに仕上がったのかもしれませんが、結局は「アメリカのIT長者 vsイギリス特権階級」という構図になる。
上流階級の訓練仲間をダメな奴らとして描きますが、彼らは紳士予備軍ではなく、階級とは関係ない悪ガキなだけ。
更にアメリカ中部の白人中心の宗教組織を「惨殺しても差し支えない人達」として描くのはどうなのか?
極めつけは、スウェーデン王女。
自国のロイヤルファミリーに対するメディアの扱いも酷いが、そこそこ実績のある映画監督が他国のロイヤルファミリーを貶める暴挙は、公式ルートでスウェーデンから訴えられて然るべきでしょう。
映画で “悪ふざけ” はしょうがないが、このレベルの映画にしては少しデリカシーに欠けている気がしてなりません。
