二つの季節しかない村

Kuru Otlar Ustune
製作年 2023
製作国 トルコ・フランス・ドイツ
監督 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
脚本 ヌリ・ビルゲ・ジェイラン
音楽 ジュゼッペ・ベルディ
出演 デニズ・ジェリオウル、 メルベ・ディズダル、 ムサブ・エキチ、 エジェ・バージ、 エルデム・シェンオジャク、 ユクセル・アクス

誰もが反抗や憎悪を抱いている
しかし 誰が何を求め
誰がなぜ与えないのか
どの言い分も明確ではない

ジェイラン監督の作品は初めて観たが、閉塞的で展開も多くない内容に198分もかける勇気がまず凄い。
3時間超、我々は登場人物の心を探り、重く深い霧に包まれるが、長さはあまり感じさせない。
それだけ刺さる何かがある。

登場人物は ”浅い映画” で描かれるようなステレオタイプではなく複雑、というか現実の人間に限りなく近い。
初めは短絡的で意固地に見えるキャラクターも、徐々に弱く暗い部分がさらけ出されるが、本当の内面は見えない。

自分は知識人である(少なくとも自分ではそう思っている)。
住人の多くは世俗的である。
この閉鎖的で制約された生活を脱したい。
それは西洋を目指したアジアの国トルコのことなのだろうか。
それとも単に、人間の道徳観や利己主義というテーマを探求したのだろうか。

kuru-otlar-ustune1