| 原題 | La bete |
|---|---|
| 製作年 | 2023 |
| 製作国 | フランス・カナダ |
| 監督 | ベルトラン・ボネロ |
| 脚本 | ベルトラン・ボネロ、 バンジャマン・シャルビ、 ギョーム・ブレオー |
| 音楽 | ベルトラン・ボネロ、 アンナ・ボネロ |
| 出演 | レア・セドゥ、 ジョージ・マッケイ、 ガスラジー・マランダ、 ダーシャ・ネクラソワ、 マルタン・スカリ |
この映画には明確な答えはなく、そもそも何が問われているのかさえ明確ではありません。
分かりやすいストーリーはおろか筋書きもほとんどなく、すべては幻想的で謎めいた形で提示されているため、意図的に理解しにくい作りになっています。
1910年のプロットは素晴らしく、ガブリエルが何を語り、何に恐怖を抱いたかに俄然興味が湧きます。
レア・セドゥが感情を抑え込んだ演技をする時はいつも、表情、僅かな仕草、視線などから不安気な雰囲気を醸し出します。
いつ観ても素晴らしい女優ですね。
ジョージ・マッケイは感情を抑え込んだ演技というよりいつも仮面的で感情が良く分からず、いつ観ても『1917 命をかけた伝令』を思い出します。
脱線しましたが、2014年と2044年も含めた3つの時代が組み合わさり、話は良く分からなくなる。
AI化の恐怖のように描いていますが、原作小説によると「周囲を巻き込む大惨事」に怯えるという表現を使い “人生の悔恨” を描いたもののようです。
漠然とした恐怖によって愛する人を遠ざけ、人生を台無しにしてしまったと。
そうすると、「恐怖心そのものを恐れるべきではない」という教訓に行きつくと思いきや、この映画を観ると「これから起こることは現実だから逃げられない。もっと恐れよ。」と言っているように思えます。
だから良く分からなくなるのです。
恐れたところで異常者を撃退できないし、AI化によって人間は邪魔な存在になるのです。
じゃあもっと恐れると、果たして人間の行動や世界は変わるのか?
そこについては何の言及もありません。
ということで、少し消化不良になる作品でした。
