セクシリア

原題 Laberinto de pasiones
製作年 1982
製作国 スペイン
監督 ペドロ・アルモドバル
脚本 ペドロ・アルモドバル
音楽 ベルナルド・ボネッツィ
出演 セシリア・ロス、 イマノル・アリアス、 ヘルガ・リーネ、 フェルナンド・ビバンコ、 マルタ・フェルナンデス=ムーロ、 アントニオ・バンデラス

パンクで下品で自由過ぎた『ペピ、ルシ、ボンとその他大勢の娘たち』に続く、ペドロ・アルモドバル監督の第2作。

デビュー作の流れを引き継ぎ、”自由” で “過激” で “雑な編集” の作品ですが、アルモドバル監督が大好きな色情狂、バイセクシャル、ハスラー、パンク、ドラァグクイーン、ドラッグディーラー、テロリスト、医師など登場人物が50人くらいいて、発散するサブストーリーも多数あって、主人公2人のメインストーリーは映画の中の汚物に完全に埋もれています。
更に終盤はセクシリアの友人が突然セシリア・ロスそっくり(1人2役?)になり、頭が混乱します。

後に優れたストーリーテラーとなるアルモドバル監督も、デビュー間もない当時は “とにかく面白い人物と面白いエピソードを放り込めば、もっと面白い何かが起きる” という発想で作ったとしか思えません。
でも、”何も恐れない弾け具合” と時折挟まれる一瞬のユーモアが面白く、なぜか見入ってしまう魅力があるんですよね。
フランコ将軍亡き後の混乱期のスペインでこんな映画を作っていた人は変態か鬼才のどちらかですが、アルモドバル監督に限って言えば変態・鬼才の両方なのでしょう。

 

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なお、アルモドバル監督のお気に入り アントニオ・バンデラスのデビュー作で、バンデラス曰くマドリードで舞台俳優をしていた時にカフェに座っていると、アルモドバルが近づいてきて「君は映画をやるべきだよ。君はとてもロマンチックだし、顔もロマンチックだ」と言い残し、後日楽屋に現れて『セクシリア』に出て欲しいと説得されたそうです。
そしてアルモドバル監督自身も熱唱していますが、恐らくこれが当時の素の姿なのでしょう。(左の人)

Historia de nuestro cine - Laberinto de pasiones