| 原題 | Le regne animal |
|---|---|
| 製作年 | 2023 |
| 製作国 | フランス・ベルギー |
| 監督 | トマ・カイエ |
| 脚本 | トマ・カイエ、 ポリーヌ・ミュニエ |
| 音楽 | アンドレア・ラズロ・デ・シモーネ |
| 出演 | ロマン・デュリス、 ポール・キルシェ、 アデル・エグザルホプロス、 トム・メルシエ、 ビリー・ブラン |
この映画は多くの評論にあるように、本当に人間の多様性や生物保護に対する価値観の違いを描いたものなのか?
何か少し違う気がします。
監督のトマ・カイエは「学生の頃の同級生が、人間と動物の交配を題材にしたシナリオを描いていたことにヒントを得た。」「自然や共生という自分のテーマとも合っている。」と語っています。そのヒントを基に、
「急激な変化に見舞われた家族の変容」
を描いているのだと。
主人公のフランソワは自己主張が激しい一方で、実は社会に対して従順で、妻が動物化しても枠組みを外れる行為には及んでいません。
しかし息子の動物化によって、ようやく彼は社会ルールを逸脱する行為を取る。
“直接的な被害を受けてようやく人間は変われる”
言い換えれば
“直接的な被害が及ぶまで人間は変われない”
ということかもしれません。
それを “動物化” という少し過激な理由を持ち込んで描いたということでしょう。
同じ “動物化” を描いた映画だと、ヨルゴス・ランティモス監督の『ロブスター』ほど社会風刺に富んでいる訳ではなく、衝撃的なビジュアルに比べて少しテーマがボヤけてしまったところが残念。
突発的な奇病を主軸に社会を描いた不思議な映画であれば、『林檎とポラロイド』が良かったです。
でも『林檎とポラロイド』はランティモス作品の助監督も務めていたクリストフ・ニク監督なので、やっぱりこういう映画を作らせたらランティモス監督が頭一つ抜けているのでしょう。
