ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ

原題 Lock, Stock and Two Smoking Barrels
製作年 1998
製作国 イギリス
監督 ガイ・リッチー
脚本 ガイ・リッチー
音楽 デヴィッド・A・ヒューズ、 ジョン・マーフィ
出演 ニック・モラン、 ジェイソン・ステイサム、 ジェイソン・フレミング、 デクスター・フレッチャー、 スティング、 スティーヴン・マッキントッシュ、 ヴィニー・ジョーンズ、 レニー・マクレーン

ガイ・リッチー監督のデビュー作。
題名は英語のことわざ「Lock, Stock and Barrel(=何から何まで)」に、映画に登場する2つの銃を掛けたもの。
なぜ銃は1本ではなく2本だったのでしょうか?
ビッグ・クリスが担いだ時に、首の後ろでクロスになって格好いいからでしょうか。
きっとそれが理由でしょう。

公開当初はイギリス版『レザボア・ドッグス』と持て囃されたようですが、月日が経つと本家との差は歴然です。
恐らくは20歳前後がターゲット層で、もしその頃に観ていたら絶賛していたでしょうし、絶賛できる年代が存在するだけでも映画としては十分評価に値します。
でも30オーバーで初鑑賞したなら、登場人物の頭の弱さばかりが目についてしまうかもしれません。
なぜ素人が闇賭博で勝てると思ったのでしょうか?
10万ポンド賭けて目標が12万ポンドなんて、ハイリスク・ローリターン過ぎることは子供にでも分かるし、ビッグ・クリス以外のすべての登場人物が幼稚に見えてしまうのです。
これ以降のガイ・リッチー監督作を観ても、どうもこの監督は頭が良いタイプではないようです。
だから当時妻だったマドンナを『スウェプト・アウェイ』で主演させたり、歴史物の『キング・アーサー』をSF仕立てにして映画史に残る大損害を出したのかもしれません。
こんなことを書いていて良いのでしょうか?
ガイ・リッチー本人が見たら激怒して、殺し屋のジェイソン・ステイサムを送り込まれそうです。

 ※ その場合に備えてChatGPTでジェイソン・ステイサムの弱点を調べたら、以下が出てきました。
   1. 演技の幅が狭い
   2. アクションのスタイルが単調化しやすい
   3. 感情表現・ユーモアの弱さ

  これは弱点というより “限界” ですね。
そして最後に「その弱点が魅力でもある」と書かれていて納得。

複数のサブストーリーが徐々に繋がり、1周回ってそこで終わらずもう半回転するストーリーの巧妙さは今観ても良く出来ています。
群像劇とコメディ要素を含んだ犯罪映画の上手なミックスは、サモア風カクテルよりも魅力的です。
そして、CMやミュージックビデオ製作で磨いたセンスを存分に発揮した構図と映像もキマってます。
この映像センスと娯楽性こそ、ガイ・リッチー監督の真骨頂です。
これくらい褒めておけば、ガイ・リッチー本人が見ても許してくれそうですね。

 

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