| 原題 | Los amantes pasajeros |
|---|---|
| 製作年 | 2013 |
| 製作国 | スペイン |
| 監督 | ペドロ・アルモドバル |
| 脚本 | ペドロ・アルモドバル |
| 音楽 | アルベルト・イグレシアス |
| 出演 | ハビエル・カマラ、 アントニオ・デ・ラ・トーレ、ラウール・アレバロ、 カルロス・アレセス、 ウーゴ・シルバ、 ロラ・ドゥエニャス、 セシリア・ロス |
どんな名匠にも “黒歴史” がある。
いとも簡単に質の高い映画を作ってしまう名監督が、「なぜこんな作品を作ろうと思ったのか?」「なぜこんな出来になってしまったのか?」と首をかしげる作品を1つだけ残してしまう。
チャン・イーモウの『グレートウォール』や、ガイ・リッチーの『キング・アーサー』のようにSFで失敗する例もあれば、スティーヴン・スピルバーグの『1941』のようにコメディで失敗する例もある。
アルモドバルで言えば、巨匠スピルバーグと一緒だったということだ。
もしくは、”まったく笑えない面白くもないコメディ” という新たなジャンルを切り開いたのかもしれない。
ただアルモドバルがスピルバーグと違うのは、若い頃は無茶苦茶で過激でふざけながら笑える面白い作品を作っており、サスペンス調に移行する前はコメディ寄りだったということ。
それなのに、”純粋なコメディ映画を作った瞬間まったく笑えない” という謎の逆転現象が起き、この映画の飛行機の乗客のように観客は困惑を隠せません。
冒頭でアルモドバル映画の常連であるアントニオ・バンデラスとペネロペ・クルスがカメオ出演的に1分ほど出てくるが、このフライトに乗っていなくて本当に良かったと胸を撫でおろします。
もし乗っていたら、彼らの華々しいキャリアを考えると痛々しくて観ていられなかったでしょう。
