| 原題 | Lost Highway |
|---|---|
| 製作年 | 1997 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | デヴィッド・リンチ |
| 脚本 | デヴィッド・リンチ、 バリー・ギフォード |
| 音楽 | アンジェロ・バダラメンティ、 トレント・レズナー |
| 出演 | ビル・プルマン、 パトリシア・アークエット、 バルサザール・ゲティ、 ロバート・ロッジア、 ジョヴァンニ・リビシ、 ナターシャ・グレグソン・ワグナー、 ゲイリー・ビジー、 ロバート・ブレイク |
後の『マルホランド・ドライブ』『インランド・エンパイア』へと続く、ロサンゼルスを舞台としたサスペンス。
物語は大きく前後半に分かれていますが、前半のサイコスリラー的なストーリーと演出は非常に魅惑的です。
「?」となる仕掛けを通じて後半は少し停滞しますが、前後半を繋ぐパトリシア・アークエットの怪しい美貌と存在感が、倒れそうになった映画を背骨として支えます。
デイヴィッド・リンチ監督が描く共通テーマは “女性への疑念” であり、彼の映画に登場する男性は女性を理解することができず、“手に余るか虐げるかのどちらか” です。
前半はビル・プルマン(何となくカイル・マクラクランに似ている)演じる夫が妻を疑い、奇妙な事件が起きます。
それでも話は終わらず、生まれ変わりか何か良く分かりませんが、”人” が変わっても同じ女性に翻弄され、同じ運命を繰り返す。
デイヴィッド・リンチ監督の中でなぜ女性は “得体のしれないもの” なのか?
そんなに理解できない存在なのか?
いつもリンチ監督の映画では、女性は謎めいた存在で生き生きとは描かれない。
映画だけ観ると何となく心が歪んでいますよね。
それと引き換え、デイヴィッド・リンチ監督の映画の構図はセンスに溢れています。
芸術家を目指していただけあって敢えて奇妙な構図を作り出す時もありますが、そのインパクトは絶大です。
前半で頻繁に登場する自宅はデイヴィッド・リンチ監督の自邸であり、デザインも彼自身が手掛けているそう。
シンプルで無機質ですが、無駄なものを削ぎ落した静かな美しさですよね。
この脚本は妻殺害容疑で起訴されたO・J・シンプソン事件から着想を得ており、また、顔白塗りのミステリーマンを演じたロバート・ブレイクも後に妻殺害容疑で起訴されています。
また、後半の恋人役シェイラ(シーラ)を演じたナターシャ・グレグソン・ワグナーはナタリー・ウッドの娘で、ナタリー・ウッドは事故死とされていますが夫に殺害された可能性が極めて高いと言われています。
このように、この映画は多くの妻殺し(しかも無罪)が関係している曰く付きの映画でもあります。
