原題 | Ode to my father/국제시장 |
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製作年 | 2014 |
製作国 | 韓国 |
監督 | ユン・ジェギュン |
脚本 | ユン・ジェギュン |
音楽 | イ・ビョンウ |
出演 | ファン・ジョンミン、 キム・ユンジン、 オ・ダルス、 チョン・ジニョン、 チャン・ヨンナム、 ラ・ミラン、 キム・スルギ、 ユンホ |
家族を養い 生きるために
苦労を重ねた 親世代
今の平和と 世の中は
その礎の 上に成り立つ
素晴らしい映画!
ここで描かれるのは、世界共通のテーマである “親世代の献身” だと思う。
幼くして “家長” の責任を負い、自らの意志や夢を封印し、家族のために働き続ける。
それは比喩ではなく、文字通り命がけだったかもしれない。
今の安定した裕福な社会や家庭は、そのような多くの “忍耐” と “犠牲” の上に築き上げられている。
少しナショナリズム的な表現も見られますが、行動の原点は国家への忠誠ではなく、基本的には家族愛が中心。
もしかしたら、”長男が家族を支える” というアジア的な家族観や家父長制の思想が根底にあるのかもしれません。
その “自己犠牲の精神” を利用して高度成長してきたし、「家族を中心とした国家」を作り上げてきた。
韓国は更に南北問題、ベトナム戦争への直接参戦という過去を負っており、主人公も北朝鮮出身という設定だ。
だからその苦労は、韓国出身者より遥かに過酷だったのだろう。
でも、この映画に対する共感は韓国民だけでなく、他の国の人が観ても一緒だと思う。
特に「家族」という縛りが厳しかった国はなおさらだろう。
なぜ “厳しかった” と過去形で書いたかというと、この映画でも描かれるように、国全体が裕福になった現在は家族という縛りは薄れ、個人主義へと変わっているから。
それが主人公が見せる悲哀で、働きづくめだった男性、それを支えさせられた女性・主婦は何だったのか?という世代間の問題に突き当たる。
そして、韓国と北朝鮮が抱える離散家族という問題でクライマックスを迎える。
幼い頃に生き別れになった姉弟であっても、完全に忘れ去ることはできず、血のつながりによって救われることがある。
それらをシリアスではなく、明るく温かい視線で描く。
悲劇をコメディで描く映画も多いように、ギャップを活かして当時の世代が送らざるを得なかった厳しい人生を描き切る。
素晴らしい映画でした!