ピクニック

Partie de campagne
製作年 1936(1946年に修復され公開)
製作国 フランス
監督 ジャン・ルノワール
脚本 ジャン・ルノワール
音楽 ジョセフ・コスマ
出演 シルヴィア・バタイユ、 ジャーヌ・マルカン、 アンドレ・ガブリエロ、 ジャック・ボレル、 ジョルジュ・ダルヌー

初めて観たジャン・ルノワールの作品は、パリから車で1時間半ほどにあるシャンパーニュ地方でピクニックをする家族の物語。
都会 vs 郊外の構図を織り交ぜつつ、1人の女性を巡って2人の男性が火花を散らすコメディ仕立てに。
40分という短時間に、昔の映画の要素がテンポよく詰められた作品です。

この数年後にフランスはドイツの侵攻を受けますが、戦火に見舞われる前の無邪気な様子が見て取れる。
でも、描かれる男女の愛はただ甘いだけでなく、モヤモヤと余韻が残る。
そもそも「2人の下卑た男が都会の乙女に手を出す」という展開なので、題名や美しい風景やブランコなどの美しい描写とは相反するストーリー。
未完成とはいえ、なぜモーパッサンの「野あそび」を映画化しようと思ったのだろう?
ということで、内容と映画の出来栄えが不釣り合い(もちろん出来栄えの方が素晴らしい)、もしくは “達人が作った習作” のようなアンバランスさを感じてしまう。

ちなみに、主演のシルヴィア・バタイユは、思想家・哲学者のジョルジュ・バタイユの奥様だそうだ

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