| 原題 | Pigen med nalen |
|---|---|
| 製作年 | 2024 |
| 製作国 | デンマーク・ポーランド・スウェーデン |
| 監督 | マグヌス・フォン・ホーン |
| 脚本 | マグヌス・フォン・ホーン、 リーネ・ランゲベク |
| 音楽 | フレゼレケ・ホフマイア |
| 出演 | ビク・カルメン・ソンネ、 トリーヌ・ディルホム、 ベシーア・セシーリ、 ヨアキム・フィェルストロプ、 テッサ・ホーダー、 アバ・ノックス・マルティン |
ハイコントラストのモノクロで描かれるデンマークの史実サスペンス。
計算されたショットはどれも息を飲むほど美しいが、登場人物の表情と音響が最初から最後まで不安を煽る。
あらすじを見ると連続殺人鬼を描いた映画だと分かりますが、誰が殺人鬼で誰が殺されるのか中盤までまったく分からない。
私は映像の迫力に魅せられて途中で殺人鬼の話ということを忘れたので、終盤に事実に気付いて「うゎ、そういうことか…」と暗澹たる気持ちになりました。
それは社会が生み出した “抜け穴” のような存在で、だから被害者を探す人もおらず、問題が発覚するまで悲しむ人もおらず、長らく誰にも気づかれなかったのだと。
結果だけ見ると凶悪犯罪ですが、犯人は必ずしも能動的に獲物を狙っている訳でもなく、犯罪が成立するためには “提供者” の存在が不可欠です。
そうなると、我々が責めるべきは一体何なのか?
それは長らく世界中の女性を苦しめてきた歴史であり、社会全体なのかもしれません。
同じくモノクロで描かれ、世界30ヶ国以上で映画賞を獲得したペルーの秀作『名もなき歌』も、同じような社会テーマを扱った作品でした。
「子供を育てられないほどの貧困」にも関わらず「子供ができてしまう」、そして「責任の多くは女性が負わなければならない」という世界共通の状況が、これらの不幸を生み出しているのでしょう。
