| 原題 | Prodigieuses |
|---|---|
| 製作年 | 2024 |
| 製作国 | フランス |
| 監督 | フレデリック・ポティエ、 バランタン・ポティエ |
| 脚本 | フレデリック・ポティエ、 バランタン・ポティエ、 サビーヌ・ダバディ、 クレール・ルマレシャル |
| 音楽 | ダン・レビ |
| 出演 | カミーユ・ラザ、 メラニー・ロベール、 フランク・デュボスク、 イザベル・カレ、 エリザ・ダウティ |
ピアニストやヴァイオリニストを描いた映画は多い。
彼らは肉体と精神をすり減らしながら楽器や楽譜と向き合い、上達を阻害する日常生活や人間関係の障壁を乗り越え、音楽への愛と狂気を振り絞りながら昇り詰める。
その “葛藤” や “狂気” こそが、クラシック音楽を題材とした映画を観る上での醍醐味かもしれない。
主人公のプレネ姉妹はどうだろう?
地域のコンクールで銀賞を獲って悔しがり、隣国の音楽大学では入学と共にNo.1として認められるまでになる。
その間の血のにじむような努力は? 描かれていない。
娘にプレッシャーをかけ続ける高圧的で独善的な父親と、付き従うだけの母がいるだけだ。
彼女たちはどのようにしてピアニストの卵になったのか?
それともこれは芸術映画ではなく、映画で良く見る “難病もの” に過ぎないのでしょうか?
実は恐らく後者だったのでしょう。
だとしたら、割り切って “難病もの” として観ようではないか。
でも病名も症状もはっきりしない。
ピアニストの夢は断たれたが、日常生活は問題なくできていそうだし。
“骨の塩不足” と言っていたので「くる病」だろうか?
でも幼年期の発症ではないし、一体何なのだろう?
やっぱり芸術映画なのか?
だとしたら、一つの協奏曲を補う合うように二分割し、一人で弾いているように見せるというギミックは面白い。
サポートする女性講師の貢献も胸を打つ。
ですが脚本と演出のすべてが人工的な感じで、”本当に描くべき物語” は何だったんだろう?という気がしてなりません。
