| 原題 | Seven Psychopaths |
|---|---|
| 製作年 | 2012 |
| 製作国 | イギリス |
| 監督 | マーティン・マクドナー |
| 脚本 | マーティン・マクドナー |
| 音楽 | カーター・バーウェル |
| 出演 | コリン・ファレル、 サム・ロックウェル、 クリストファー・ウォーケン、ウディ・ハレルソン、 トム・ウェイツ、 アビー・コーニッシュ、 オルガ・キュリレンコ、 ハリー・ディーン・スタントン、 ジェリコ・イヴァネク、 リンダ・ブライト・クレイ |
クリストファー・ウォーケンはいつも、クリストファー・ウォーケンのそっくりさんを演じているのだろうか?
それくらいクリストファー・ウォーケンはいつも、感心するくらいクリストファー・ウォーケンに似ている。
可愛いシーズー(犬)を抱いていても、クリストファー・ウォーケンは強面のクリストファー・ウォーケンのままだ。
彼は名優である以上に、”自分を演じる” という世界を切り開いた人なのかもしれない。
タイプは違うが古くはケリー・チャン、今だとベン・アフレックも似たようなタイプかもしれない。
マーティン・マクドナー監督は、フェデリコ・フェリーニの『8 1/2』やミア・ハンセン=ラブの『ベルイマン島にて』のように、インスピレーションの欠如からこのシナリオを考え付いたのでしょうか?
フェデリコ・フェリーニは敢えての自虐だったのかもしれませんが、一流の劇作家であり脚本家のマーティン・マクドナーは違います。
恐らくこれは溢れ出るインスピレーションを用いて “メビウスの輪 ” のように現実と妄想の境界を繋げ合わせ、軽々と映画のシナリオに仕立て上げてしまった快作です。
表面的には脚本づくりの苦悩を描きつつ、自己陶酔的にも感じられる軽快さと複雑さを見せつけます。
恐らくマーティン・マクドナーは脚本家としてサイコパスなのでしょう。
しかし、サイコパス脚本家の才能あふれるテンポの良い展開は50分で終了し、次の60分は砂漠でのんびり思索とシナリオを作るという謎展開に突入します。
前半は映画、後半は演劇、そして最後にまた映画に戻るのです。
前半のまま突っ走れば第2の『パルプ・フィクション』を目指せたかもしれませんが、マクドナー監督は敢えてそうせず、”思索” と “ブラックユーモア” という自分の哲学を貫き通します。
その潔さと勇気と独創性に、「大衆にも業界にも染まらない」という芸術家気質のような “気概” を感じました。
