ボーダーライン ソルジャーズ・デイ

原題 Sicario: Day of the Soldado
製作年 2018
製作国 アメリカ
監督 ステファノ・ソリマ
脚本 テイラー・シェリダン
音楽 ヒドゥル・グドナドッティル
出演 ベニチオ・デル・トロ、 ジョシュ・ブローリン、 イザベラ・モナー、 ジェフリー・ドノヴァン、 マヌエル・ガルシア=ルルフォ、 キャサリン・キーナー、 マシュー・モディーン

ドゥニ・ヴィルヌーヴが手掛けた「ボーダーライン」の続編。
何が起きているのか、これから何が起きようとしているのかまったく分からない中、主人公エミリー・ブラントの視点を借りて観客が覗き見る体験型の「ボーダーライン」も痺れる映画でしたが、この作品もダークで生々しい恐怖を感じさせる雰囲気を維持している。
前作でナビゲーター役を果たし終えたエミリー・ブラントはいなくなり、今回は初めからベニチオ・デル・トロ(はまり役!)に焦点が合わされる。
そういう意味で、今回はベニチオ・デル・トロのファンが彼を見る映画として最適なのかもしれない。

監督のドゥニ・ヴィルヌーヴ、撮影のロジャー・ディーキンス、音楽のヨハン・ヨハンソンという実績あるメンバーをすべて欠いて作らざるをえず、新たに監督に抜擢されたのがイタリア以外では無名のステファノ・ソリマ。一体誰ですか?
ところが彼は、撮影のダリウス・ウォルスキー(近年のリドリー・スコット作品はすべてこの人)の手を借りて前作を見事に “模倣” します。
音楽を担当したのは、ヒドゥル・グドナドッティルというアイスランド人の女性。映画の音楽担当で女性は珍しいと思ったら、ドゥニ・ヴィルヌーブ作品の音楽を多く手掛け、前作「ボーダーライン」でも音楽を担当したヨハン・ヨハンソン(こちらもアイスランド人)と協業していた作曲家だそうです。急逝したヨハンの後を受けて、本作での抜擢となりました。
脚本は前作同様テイラー・シェリダンなので、前作を超えるオリジナリティはないですが、世界観や語り口はそのままに見事な続編が出来上がりました。

将来について話し合おうか?

自分が殺そうとしたベニチオ・デル・トロと密室で2人きりにされ、無表情かつ低い声でこう囁かれたら、額が擦り切れるまで土下座して命乞いするしかないよね … 背筋が凍り付く、戦慄のラストでした。
ベニチオ・デル・トロ恐るべし!

 

sicario21