消されたヘッドライン

原題 State of Play
製作年 2009
製作国 アメリカ
監督 ケヴィン・マクドナルド
脚本 マシュー・マイケル・カーナハン、 トニー・ギルロイ、 ビリー・レイ
音楽 アレックス・ヘッフェス
出演 ラッセル・クロウ、 ベン・アフレック、 ヘレン・ミレン、 レイチェル・マクアダムス、 ロビン・ライト・ペン、 ジェイソン・ベイトマン、 ジェフ・ダニエルズ

映画界に確立されたジャンルである「報道映画」の王道を行く政治サスペンス。
見事な俳優陣の演技がとにかく素晴らしい。

 ラッセル・クロウの疲労感。
 レイチェル・マクアダムスの嫌みのない溌剌さ。
 ヘレン・ミレンのピリピリ感。
 ロビン・ライト・ペンが醸し出す陰影。
 そして、ベン・アフレックのモアイ感。

そう、ベン・アフレックの顔はいつもベン・アフレックで、これが平常運転なのだ。

脚本とテンポも良いのですが、ラストのオチはダメです。
冒頭から積み上げてきたものが一気に崩れ去り、元通りの砂の山が残ります。
ケヴィン・マクドナルド監督の映画は重めなテーマで面白いんだけど、自動操縦機のように離陸から着陸までルートを外れず無難に飛行するので、安心感はあるけどスリルに欠けるのかもしれません。

とはいえ「報道映画」はいつの世も映画の脚本には最適。
なぜなら「間違いが許されず」「締め切り」があるという緊迫感、そして「隠された真実を暴く」という正義感とスリルがあるから。
でもいつかネットメディアを舞台にした報道映画が出てきたら、そのときこそ新聞の終わりなのかもしれません。

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