| 原題 | 愛神 手/The Hand |
|---|---|
| 製作年 | 2004 |
| 製作国 | 香港 |
| 監督 | ウォン・カーウァイ |
| 脚本 | ウォン・カーウァイ、 ジャッキー・パン |
| 撮影 | クリストファー・ドイル |
| 出演 | コン・リー、 チャン・チェン |
生きる世界が異なるあなた
肌に触れても 手は届かない
やがて世界は移ろい交差するが
愛で紡いだこの服はもう…
個人的ウォン・カーウァイ特集 11作目
わずか56分、限られた登場人物。
これまでもある意味 “短編” を創り続けてきたウォン・カーウァイだけに、彼の描く”日常と映画の境界線”は完璧です!😃
“服を仕立てる” 所作と関係性で深い愛を描き、”チマキを食べる” だけで愛欲を美しく表現してしまう😮
これはウォン・カーウァイ監督がこれまで乱雑に描き続けてきた
”時間と愛”
を、高級服を仕立てるがごとく丁寧に紡いだ作品に他ならない。
電話で顧客と戯れたり、恋人を遠ざけたり、喧嘩したり、泣き崩れるホアの人生を、チャンは壁越しに、時には傍で見守り続ける。
親密になる時もあれば、冷たくあしらわれる時もある。
だが、チャンがホアの本命になることはあり得ない。
だから、いつしか “彼女が変わらず存在する” ことに幸せを見出す。
観客はチャンの目を通してホアの物語を観ているのだ。
それはストレートな愛ではなく、それは歪んだ愛で、一歩間違えば倒錯的とも言える。
お互いがどんな存在だったか確かめることは出来ない。
少なくとも、チャンがいくら愛を注いでもホアのすべてを埋めることは出来なかったことが分かる。
そしていつも描かれる
”どしゃ降りの雨”
”すれ違う関係”
”下着シャツ”
も、もちろん登場。
粗いようで洗練された映像美は、誰にも真似できない無二のもの。
未見だった作品を映画館で公開してくれて感謝です🙂
https://twitter.com/cinematographjp/status/1648652818696531973?s=20
