| 原題 | The Substance |
|---|---|
| 製作年 | 2024 |
| 製作国 | イギリス・フランス |
| 監督 | コラリー・ファルジャ |
| 脚本 | コラリー・ファルジャ |
| 音楽 | ラファティ |
| 出演 | デミ・ムーア、 マーガレット・クアリー、 デニス・クエイド |
「デミ・ムーアの中からピチッピチのマーガレット・クアリーが出てくる」と聞いただけで、紛れもなく “タダものではない” 映画です。
根底には「女性と美貌と老い」という分かりやすいテーマがありますが、過剰で悪趣味でハイセンスなファルジャ監督が描くと、社会派ドラマがシュールなスプラッターと化し、文字通り “2つの意味で弾ける” ので要注意です。
フランス人のコラリー・ファルジャ監督はこの作品がわずか2作目で、デビュー作の『REVENGE リベンジ』もB級アクションが途中からスプラッターへと変化します。
つまり『サブスタンス』で見せた過剰なまでの表現は、ストーリー的な必要性は2割で残り8割は “はっきり言って監督の趣味” です。
でもそれを知ってから割り切って観ると、どこまでも突き抜けた表現に笑いすら込み上げてきます。
恐らくファルジャ監督も、「社会派映画だと思って騙されたわね」と高笑いしているかもしれません。
“YOU AER ONE”(あなたは一人)
男性だろうが女性だろうが、エアロビクス番組のナビゲーターはきっと若い方が良い。
50歳まで頑張ったエリザベスは尊敬に値するし、彼女を50歳まで引っ張ったハーヴェイも実はすごいのかもしれません。
つまり男性であろうと女性であろうと “老いには勝てない” し、”商品価値に見合った年齢” は男女問わず確実にあるのです。
ハーヴェイは “エンタメ業界の悪しき男性像” をデフォルメしていますが、節目での番組降板と交代は致し方ないでしょう。
しかし、エリザベスは老いに歯向かい、スーは羽目を外して若さを消費します。
どちらが悪いのでしょうか?
「あなたは一人」なので、”どちら?” という問いすらなく “あなた” でしかないのです。
”無理をして老いに歯向かう” こと自体が既に 悪しき欲望 なのかもしれません。
過激に突っ走る勇気(良く言えば作家性、悪く言えば悪趣味)を称えて個人的に評価も高いですが、こういうテーマを衝撃的に描くという意味では、エメラルド・フェネル監督の『プロミシング・ヤング・ウーマン』に軍配が上がるかもしれません。
