| 原題 | Todo sobre mi madre |
|---|---|
| 製作年 | 1999 |
| 製作国 | スペイン |
| 監督 | ペドロ・アルモドバル |
| 脚本 | ペドロ・アルモドバル |
| 音楽 | アルベルト・イグレシアス |
| 出演 | セシリア・ロス、 マリサ・パレデス、 ペネロペ・クルス、 アントニア・サン・フアン、 カンデラ・ペニャ、 エロイ・アソリン |
女優を演じた女優たち
すべての女優たち
女になった男たち
母になりたい人々
そして私の母に捧げる
ニッチな作風だったペドロ・アルモドバル監督が感傷的なドラマを手掛け、キャリアの転機となった作品。
アルモドバル独特のクィアを前面に押し出す強烈な表現は健在ですが、今回はクィアも含めた “女性” に焦点を当てています。
また、『イヴの総て』『欲望という名の電車』『血の婚礼』という別作品を劇中劇として登場させつつ、その要素をストーリーに取り入れる “入れ子構造” とするなど、アルモドバル監督の引き出しの多さと器用さが存分に発揮されています。
自分が夢見てきたものに近づけば近づくほど、より本物になれる
主人公のマヌエラは息子を亡くします。
その心臓は別の男性に移植されますが、”父を一目見たい” という希望はマヌエラに託され、彼女が凍らせていた心を溶かし、過去を辿る旅へと連れ出します。
マヌエラは立ち直り、前に進みますが、様々な人に出会う度に少しずつ過去へと引き戻される。
登場人物のほとんどは女性ですが、誰一人幸せな人はいない。
彼女たちは皆、なりたい “自分像” がありますが、現実は厳しく、決してそれは手に入らない。
それでも前向きに力強く、逞しく生きることで、本当の自分に近づいていく。
それが、この映画が描きたいテーマだったのでしょう。
