| 原題 | Un monde |
|---|---|
| 製作年 | 2021 |
| 製作国 | ベルギー |
| 監督 | ローラ・ワンデル |
| 脚本 | ローラ・ワンデル |
| 音楽 | フレデリック・ノワロム |
| 出演 | マヤ・バンダービーク、 ガンター・デュレ、 カリム・ルクルー、 ローラ・ファーリンデン |
邦題/英題は校庭(Playground)ですが、原題のフランス語「Monde」は “世界” という意味。
子供にとって小学校は社会への入り口ですが、狭い意味では彼らにとって “世界のすべて” なのです。
だからこの映画は小学校の外に出ることは一切なく、延々と閉じられた世界だけを映し出す。
これまで無縁だった暴力がすぐ隣にあり、今日の被害者が明日の加害者にもなる。
見守ってくれる親は傍におらず、教師だけが頼りだ。
だが、親身になってくれる教師が担任になることは奇跡かもしれない。
他とは違う家庭環境だと初めて気づき、”なぜうちだけ?” と不安になる。
状況に適応すれば丸く収まるが、適応できない時は何らかの罰が待っている。
常に主人公の少女をクローズアップするが、純粋さ、正義感、空気を読めない子、癇癪、意固地などなど、小さな子供が持つ様々な問題特性を主人公の少女に詰め込んだせいか、この少女を見ていると何だか不憫になる。
本来、子供にはもっと良い部分もあるはず。
そこを敢えて排してマイナス面を強調する描き方は問題提起としては良いですが、現実の “片側” だけを映しており、救いが無いわけではありませんが、少しだけ気分が悪くなってしまいました。
監督のローラ・ワンデルは、同じベルギーのダルデンヌ兄弟に影響を受けていることを明言していますが、それが良く分かります。
