| 原題 | Extrana forma de vida |
|---|---|
| 製作年 | 2023 |
| 製作国 | スペイン・フランス |
| 監督 | ペドロ・アルモドバル |
| 脚本 | ペドロ・アルモドバル |
| 音楽 | アルベルト・イグレシアス |
| 出演 | イーサン・ホーク、 ペドロ・パスカル、 ジョージ・ステイン |
『ヒューマン・ボイス』と同じく英語を使用した短編ですが、こちらは完全なクィア映画として製作され、2023年のカンヌ国際映画祭でもクィア・パルム部門で上映されています。そしてなぜか西部劇!
これはまずアルモドバル監督が温めていたエピソード(一夜を共にした後、年配の男2人が目覚めて会話する場面)が土台にあり、それを書き足して短編にすることを思いついたそうです。長編にすると過去や周辺の説明や掘り下げが長くなるため敢えて短編とし、「男同士の物語で短編なら西部劇でやってみよう」「西部劇ならアメリカの俳優を起用して英語でやってみよう」「西部劇ならマカロニウエスタンを撮影していたスペインのセットを使おう」ということのようです。実はアルモドバル監督は『ブロークバック・マウンテン』の監督候補に挙がっていたことがあり、結果的に “自分が西部劇で撮るなら” という回答にもなりました。
そして、アルモドバル監督が西部劇を撮るとどうなるのか?
案の定、アルモドバル監督の色彩感覚と構図と美意識がそのまま西部劇に取り込まれ、鮮やでサスペンスフルな西部劇が出来上がりました。また、2人の中年男の愛、よみがえる情熱、孤独、後悔、怒り、恨みなど、過去の感情と現在の感情は、西部劇という過去の時代に移しても驚くほどマッチしているのです。回想シーンで酒樽(壺?)を銃で打ち抜いて流れ出るワインを浴びるシーンなんて、アルモドバル監督でしか思いつかない過剰な映像表現ですよね。短編なので脚本は恐ろしくシンプルですが、その分、何の気負いもなく(場合によっては夕ご飯と一緒に)気軽に観られます。その点では、いつものアルモドバル作品を期待すると裏切られるかもしれません。
この映画はサンローランの映画製作部門が手掛けています。他の作品に比べると西部劇なのでサンローランっぽく見えませんが、確かに衣装は上質だったのかもしれません。ちなみに『エミリア・ペレス』は、サンローラン・プロダクションが参加した初めての長編映画でした。また、サンローラン・プロダクションのホームページを観ていると、なんとウォン・カーウァイ監修の作品を発見! 美術館に展示するための映像作品だったようですが、ウォン・カーウァイの世界観が再現されていて必見です!
https://saintlaurentproductions.ysl.com/jp/a-night-in-shanghai
