MELT メルト

原題 Het Smelt
製作年 2023
製作国 ベルギー・オランダ
監督 フィーラ・バーテンス
脚本 バート・ヴァン・ランゲンドンク
音楽 ビョルン・エリクソン
出演 ローザ・マーチャント、 シャルロット・デ・ブライネ、 ナオミ・フェリサリウ、 セバスティアン・デワーレ、 アンバー・メデペ二ンゲン、 アンソニー・ビット、 マティエス・メールテンス

映画の冒頭で主人公は “何か” を作っているが、水を入れているので大方の想像はつく。この時点でまだ用途は分からないが、中盤には父との会話の中に “それ” が登場するので、何をしようとしているかも大方の想像はつく。じゃあなぜ、そうする必要があるのか? 誰かを嵌めようとしているのか? それとも自分で使おうとしているのか? ここは複数の選択肢があり、想像がつきません。個人的には過去に因縁のある別の人に対して使おうとしていると予想しましたが、その予想は外れました。「誰に対して使おうとしているのか」という一点にこの映画のすべての要素が詰まっており、氷が溶けた時に過去の罪が姿を現しつつ、実際には罪の痕跡も命もすべて消えて無くなってしまうのです

状況設定には細心の注意が払われており、少年/少女の悪ふざけに帰着させず、田舎町の閉鎖的な文化や機能不全の家族、主人公自身の過失など複数の原因を絡めています。危険な遊びは徐々にエスカレートし、最後はロシアンルーレットのように誰かが最大の被害者になって終わりを迎えます。逆に言うと、自然に止まることはなく何らかの事件に発展するまで終わらない。駆け引きがある以上、被害者が誰になるかは確率の世界ですが、後から考えれば明らかに主人公のリボルバーには人より多くの弾がこめられており、勝ち目は薄かったのでしょう。でも恐らく主人公が思い詰めた原因は、起きた事よりその後に “誰もが見て見ぬふりをしたから” なのではないでしょうか。

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