| 原題 | Le proces du chien |
|---|---|
| 製作年 | 2024 |
| 製作国 | スイス・フランス |
| 監督 | レティシア・ドッシュ |
| 脚本 | レティシア・ドッシュ、 アン=ソフィー・バイリー |
| 音楽 | ダビッド・シュタンク |
| 出演 | コディ(犬)、 レティシア・ドッシュ、 フランソワ・ダミアン、 ジャン=パスカル・ザディ、 アンヌ・ドルバル、 マチュー・ドゥミ、 アナベラ・モレイラ、 ピエール・ドゥラドンシャン |
これはコメディの皮を被った風刺映画。
9割はコメディなので振り切れば面白かったのですが、やたらと社会問題を振り掛けた挙句、あの終わり方だと観客全員が置き去りになります。
安くて早くて美味しい牛丼を頼んだら不要なトッピングが少しずつ乗せられていて、「いやいやシンプルな牛丼が食べたいのだよ」という感じ。
主演のコスモス君はサーカス犬だけあって、さすがの演技です。
堂々と机の上に登り、歩き回った後に寝そべる姿なんて、猫好きのあなたまで犬好きになってしまいそうですね。
カンヌ映画祭でパルムドッグ賞を獲ったことも納得です。
監督・主演のレティシア・ドッシュはどこかで見覚えがあると思ったら、ジュスティーヌ・トリエ監督の『ソルフェリーノの戦い』の女優さんでした。
ドッシュ監督とトリエ監督は親交があり、2022年にお互いが製作中の映画について会話したそうです。
ドッシュ:今、裁判を舞台にした映画を製作中なの。
トリエ :あら、私もよ。
ドッシュ:私の映画には目の見えない人や少年が出てくるの。
トリエ :あら、私もよ。
ドッシュ:でもでも、私の映画では犬が大きな役割を果たすの。
トリエ :あら、私もよ。
ドッシュ:(もうダメだ… トリエ監督は私が作りたい映画を先に作っている。)
果たして、ドッシュ監督が心配するほど映画は同じではありませんでした。
『落下の解剖学』はカンヌ映画祭で見事パルムドールを受賞し、アカデミー賞でも脚本賞を受賞しましたが、この映画は主演のコディ(犬)を除いてそのレベルで扱われるほどの奥深さはなく、落下したのは人ではなく映画だったようです。
複数の住民に咬傷を負わせたために飼い主が裁判に掛けられて殺処分された犬と、この映画の犬を重ね合わせて「実際にこういう裁判があった」と実話映画のようなナレーションを付けるのはどうなのでしょう?
コスモス君は、”ただただ人間の都合に振り回された可哀想な犬” に見えてしまうだけだと思います。
