| 原題 | Maelstrom |
|---|---|
| 製作年 | 2000 |
| 製作国 | カナダ |
| 監督 | ドゥニ・ヴィルヌーヴ |
| 脚本 | ドゥニ・ヴィルヌーヴ |
| 音楽 | ピエール・デロシュール |
| 出演 | マリ=ジョゼ・クローズ、 ジャン=ニコラス・ベロー、 ステファニー・モーゲン・スターン、 マルク・ジェリナス、 ボビー・ベシュロ |
後に『ブレードランナー 2049』や『DUNE/デューン 砂の惑星』など、SF大作の続編/リメイクを手掛けるドゥニ・ヴィルヌーヴ監督が、カナダ時代の若い頃に手掛けた長編第2作。デビュー作から4作目の『静かなる叫び』までは作家性のある尖った作品で、5作目の『灼熱の魂』で一気にワールドレベルに到達し、以降はアメリカに拠点を移しました。全作品に共通するテーマは ”他者に理解されない思い” で、「あなたならどうする?」と 観客に突き付けるズシリとした作風が持ち味です。
長編デビュー作『August 32nd on Earth』はモデルの女性主人公が交通事故にあい、生きる意味を求めて妊娠を求めるストーリーです。長編2作目の本作はモデル 兼 実業家の女性が中絶するシーンから物語が始まり途中で交通事故を起こすので、この作品はデビュー作の内容を引きずっていると取ることも出来ます。『August 32nd on Earth』が空虚な状態から生を見つめ直すことに対し、『渦』は明確な死の意識に沈んだ後に浮かび上がり、生と死に折り合いをつけようとする物語で、非常に似たテーマを持っています。ただ、『渦』は “奇妙でグロテスクで何度も殺される魚” がナレーターを務めるように、ヴィルヌーヴ監督のダークな一面が強く出ている作品で、確かに彼のどの作品を観ても根底にはいつも暗く重い葛藤や煩悶(はんもん)が見てとれるのは、初期の頃からの特徴なのかもしれません。
