| 原題 | The Departed |
|---|---|
| 製作年 | 2006 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | マーティン・スコセッシ |
| 脚本 | ウィリアム・モナハン |
| 音楽 | ハワード・ショア |
| 出演 | レオナルド・ディカプリオ、 マット・デイモン、 ジャック・ニコルソン、 マーク・ウォールバーグ、 マーティン・シーン、 レイ・ウィンストン、 ヴェラ・ファーミガ、 アレック・ボールドウィン、 クリステン・ダルトン |
2003年の香港ノワールの傑作『インファナル・アフェア』のリメイク。
オリジナルは3部作ですが、『ディパーテッド』は第1部のみをリメイクしています。
アカデミー監督賞/作品賞/脚色賞/編集賞という製作における主要4部門を制し、IMDBで驚異の8.5(!)という評価を持つオバケ作品。
ですが『インファナル・アフェア』を絶賛している者としては、この映画は “似て非なる劣化版” でしかありません。例えるなら、アメリカにも極上うな重があると聞いて頼んでみたら「ドジョウが出てきてこんにちは」という感じです。
しかし、が、しかし、『インファナル・アフェア』と『ディパーテッド』の両方を観たアメリカ人の観客と批評家は、「ディパーテッドの方が断然良い!」と言っておられるのです。恐らくですが、逆に『インファナル・アフェア』と『ディパーテッド』の両方を観た上で「インファナル・アフェアの方が断然良い!」と言っている人の大半は非アメリカ人でしょう。なぜ、こんなに差があるのか?
それは、「何の映画か?」という前提が大きく異なるからかもしれません。
『インファナル・アフェア』は “良心のあり方” を明確な構図、美しい映像と、抑制された演出で描き、登場人物の “悲劇性” を冒頭からエンディングまで形式美と抒情性豊かに描きます。
『ディパーテッド』はスコセッシ流の腐敗劇であり犯罪映画で、男社会の暴力や粗野さを前面に出し、俳優の感情的な演技や勢いで登場人物を生々しく映し出します。その結果、”良心のあり方” は露骨な演出で描かれ、見事にアメリカ的犯罪映画として生まれ変わりました。そう、ウナギはドジョウへと見事な変身を遂げたのです。
ラストの緊迫シーンを比較すると、その様式美と緊張感の差は歴然で、どっちがウナギでどっちがドジョウなのか一目でわかりますよね?

これはポスターの比較。
決め顔のディカプリオに対し、疲れ切ったトニー・レオンが登場人物の心理を良く表しています。
