| 原題 | Un p’tit truc en plus |
|---|---|
| 製作年 | 2024 |
| 製作国 | フランス |
| 監督 | アルテュス |
| 脚本 | アルテュス、 クレマン・マルシャン、 ミラン・モージェ |
| 撮影 | ジャン=マリー・ドルージェ |
| 出演 | アルテュス、 クロビス・コルニアック、 アリス・ベライディ、 マルク・リゾ、 セリーヌ・グルサール、 アルノー・トゥパンス、 マリ・コラン |
フランス国内で1000万人を超える観客動員を記録し、過去10年で見ても『アバター2』に次いで2位の動員数を誇り、フランス映画に限定するとフランス国内では歴代9位となるスマッシュヒットを記録しました。(ちなみにフランス/イタリア/ドイツは、自国映画の歴代ランキング上位のほとんどがコメディです)
人種や宗教、障碍者、格差などの社会的タブーに切り込んだコメディを得意とするのもフランス映画の特徴で、普段話せないことを笑いに変えてくれる映画は、国民全体が共有できる一大娯楽なのです。それにしてもこの映画は「そんな描き方して大丈夫?」と思うシーンが数多く出てきます。しかし監督・脚本・主演を務めたコメディアンのアルテュスは、若い頃から知的障碍をコメディのネタにしつつ支援活動も続ける偏見なき人(参考情報)で、何よりこの映画に出ている役者がアルテュスを信頼しているからこそ生まれるバイタリティと楽しんで演技している様子を見ると、「ああ笑っていいんだ」と安心するのです。彼には「障碍者を笑いの対象にしてはいけない」という壁を壊して良い資格があるからです。だとしても、”毎回顔に物をぶつけられる女性” など、障碍者あるあるだとしても「その描写は社会的に大丈夫か?」と心配になってしまいます。でも敢えてそこまでやるのが、綿々と受け継がれてきたフレンチコメディの文化なのでしょう。
『最強のふたり』もそうですが、障碍者を “弱い立場” や “感動の道具” として扱わず、健常者と同じ人間として対等な関係を築いているのが良いのです。ストーリーは大した深みも無く非常にベタですが、主演している監督も含めた素人俳優たちの生き生きとした演技に、映画の途中からは障碍者と健常者という壁を忘れて普通のコメディ映画として楽しめる。それこそが素晴らしいのかもしれません。
