ユニバーサル・ランゲージ

原題 Universal Language
製作年 2024
製作国 カナダ
監督 マシュー・ランキン
脚本 マシュー・ランキン、 ピローズ・ネマティ、 イラ・フィルザバディ
音楽 アーミン・フィルザバディ、 クリストフ・ラマルシュ=ルドゥー
出演 ロジーナ・エスマエイリ、 サバ・ベヘディウセフィ、 マシュー・ランキン、 ピローズ・ネマティ、 ダニエル・フィショウ、 バハラン・バニ・アハマディ、 イラ・フィルザバディ

2001年にイランのマフマルバフ・フィルム・スクールへの入学を試み、ペルシャ語を習得したマシュー・ランキン監督。10代の頃に地元の映画館でアッバス・キアロスタミの回顧上映があり、イラン人の友達に『友達のうちはどこ?』に連れて行かれて衝撃を受け、モフセン・マフマルバフ、ソフラブ・シャヒド・サレス、ジャファル・パナヒといったイランの詩的映画の巨匠たちの作品に深くのめり込んだそうです。そしてマフマルバフ・フィルム・スクールで学ぶという希望を抱いてイランへ旅立ちますが、到着してみると学校は既に閉鎖され、マフマルバフは国外へ去っていました。夢はあっという間に消え去りましたが、そこで多くの素晴らしい人々と出会い、イラン映画との対話を通して人生の方向性が定まったそうです。

その経験によって出来たのがこの作品。一見すると “劣化したウェス・アンダーソン映画” のようですが、「フランス語とペルシャ語が公用語のカナダ」をミニマルな空想世界で表現し、“現実と現実の間の中間的な空間こそ愛情に溢れ、温かく迎え入れてくれる家になり得る” という考えに基づいて作られたそうです。これは多くの人々の人生に当てはまることで、特に州をまたいで移住してきた人々にとっては、まさに共感できる部分とのこと。そんな不思議な “中間的世界” において、善意に溢れた子供は優しく人助けをし、喪失を抱えた大人は自分を見つめ直すのです。そして自分の家だと思っていた場所には別の人が住み、自分の母親を知らない人が世話しており、カナダなのにペルシャ語を話しているなど、”自分のモノだと思っていたものは、実は他者のモノでもあり自分のモノでもある” という哲学を表しています。それが『ユニバーサル・ランゲージ』というタイトルの意味なのでしょう。

なお、映画に登場するクリスマスツリーマンは子供の頃に近くに住んでいた女性がモデルだそうで、彼女は年中クリスマスのオーナメントを身に着け、真夏でもメリークリスマスと声を掛けてくる不思議な女性だったそうです。

universal-language1