| 原題 | Videodrome |
|---|---|
| 製作年 | 1983 |
| 製作国 | カナダ |
| 監督 | デヴィッド・クローネンバーグ |
| 脚本 | デヴィッド・クローネンバーグ |
| 音楽 | ハワード・ショア |
| 出演 | ジェームズ・ウッズ、 デボラ・ハリー、 ソーニャ・スミッツ、 ピーター・ドゥヴォルスキー、 レスリー・カールソン、 ジャック・クレリー |
『スキャナーズ』で人気を博したデヴィッド・クローネンバーグ監督が次に作ったのが、後にカルト的な評価を得ることになったこの作品。B級娯楽作ではなく、映像が持つ中毒性や、より過激な映像を見たいと思う人間の欲望と、そのような映像を流そうとする人間の本性を問題視した実は社会的な作品です。過激で背徳的な映像を流すことで人々の欲望を駆り立てようとする様を宗教的&陰謀的に描いている点も、現代の社会問題に通じる共通項と言えるでしょう。メディアはまだブラウン管&VHSテープの時代ですが、とても先見性のある示唆に富んだ作品なのです。
しかしそれがクローネンバーグの手に掛かると、いつもの “ボディホラー” になってしまう。”ザ・B級” な描写もあれば、どう撮影した?と驚かせるCGのような描写もあり、それらが混在した世界がなかなか面白いのです。社会問題を示唆しつつ、この映画自体が「実は過激な映像を観たいんでしょ。ほらこれをご覧。」とやってのける矛盾に、良い意味での皮肉を感じます。
映像によって人間が欲望を生み出し、欲望によって人間が映像を生み出す。
人間が虚構を映像化する手段を手に入れた時から、その無限のサイクルが回り続けているのです。エジソンのキネトスコープやリュミエール兄弟のシネマトグラフが最初に届けたのは現実世界を録画しただけの記録映像でしたが、1897年頃からフランスのゴーモン社(現在も映画界に健在)によって娯楽用の映画が作られ始め、それから100年以上、人々の欲望は映像というチャネルを通じてどこまでも拡大し、クローネンバーグの指摘は紛れもない真実として認知されているのです。
