| 原題 | When the Light Breaks |
|---|---|
| 製作年 | 2024 |
| 製作国 | アイスランド・オランダ・クロアチア・フランス |
| 監督 | ルーナル・ルーナルソン |
| 脚本 | ヘザー・ミラード、 ルーナル・ルーナルソン |
| 音楽 | ヨハン・ヨハンソン |
| 出演 | エリーン・ハットル、 ミカエル・コーバー、 カトラ・ニャルスドッティル、 バルドゥル・エイナルソン、 アゥグスト・ウィグム、 グンナル・フラプン・クリスチャンソン |
監督は「世界で最も多く賞を贈られた短編映画監督」として知られるルーナル・ルーナルソン。
短編映画『Smáfuglar』(Two Birds)はアカデミー賞にもノミネートされています。
この映画は、愛する人を事故で失った “哀しみと喪失” の物語。
ただ一筋縄ではいかないのは、亡くなった青年に “正式な彼女” と “浮気相手” がいたこと。
「愛する人を失う」という痛みは一緒なのに、浮気相手のウナは正式な彼女であるクララの前で同じように悲しむことが許されない。
青年が本当に愛していたのは自分かもしれないが、ウナはあくまでも恋人ではなく友人を失った体(てい)で悲しまなければならないのです。
そして残された者は、「本当はどちらを愛していたのか永久に分からない」という問題を抱えます。
映画の終盤でクララはウナと打ち解け、”同じ喪失の前では、抱える悲しみは一緒” と思える描写があります。
クララは「彼に自分の知らない関係があった」と傷つき、ウナは「彼との愛は公に存在してはいけない」と傷つきます。
結局は2人とも亡くなった青年に傷つけられたのです。
そして、もう何も確かめることはできません。
だから “公に悲しめる者” と “そうでない者” という、決して埋められない溝に分かたれたままなのです。
しかし、溝で分けられつつ2人は確実に同じ場所に取り残されている。
“対称性と非対称性が同時に存在する” ことが、この映画がシンプルに見えて非常に複雑で奥深い作品になっている理由なのです。
