| 原題 | Wyatt Earp |
|---|---|
| 製作年 | 1994 |
| 製作国 | アメリカ |
| 監督 | ローレンス・カスダン |
| 脚本 | ローレンス・カスダン、 ダン・ゴードン |
| 音楽 | ジェームズ・ニュートン・ハワード |
| 出演 | ケビン・コスナー、 デニス・クエイド、 ジーン・ハックマン、 マイケル・マドセン、 デヴィッド・アンドリュース、 リンデン・アシュビー、 ジェームズ・カヴィーゼル、 ビル・プルマン、 トム・サイズモア、 イザベラ・ロッセリーニ、 アリソン・エリオット、 ジョアンナ・ゴーイング |
『ダンス・ウィズ・ウルヴズ』の再来を目指してスタートするも、『スピード』に振り切られ、『フォレスト・ガンプ』に追い抜かれ、『ライオン(・キング)』に食べられ、映画は死にましたがワイアット・アープは生き残りました。そして映画が死んだ場所には、既に墓石(『トゥームストーン』)が立っていたのです。わずか4年前に『ダンス・ウィズ・ウルヴズ』で西部劇の歴史を塗り替えたケビン・コスナーをもってしても、今回は生き残るのがやっとでした。
どういうことかと言うと、この映画は『OK牧場の決斗』などで描かれた有名な西部劇であり、ワイアット・アープという実在の伝説的人物の伝記映画で、「西部劇はもう売れない」という常識をひっくり返したケビン・コスナーを主演に据えるなど、大ヒットを想定した大河ドラマだったのです。しかし、全米公開日が相当にチャレンジングでした。
1994/6/10:『スピード』 1243万ドル(3週目)
1994/6/24:『ライオン・キング』 4089万ドル(1週目)
1994/6/24:『ワイアット・アープ』754万ドル(1週目)
1994/7/6 :『フォレスト・ガンプ』
口コミで評価がうなぎ上りだった『スピード』が突っ走る中、公開前からマーケティングが好調だった『ライオン・キング』と同日に公開した結果、3週目の『スピード』にも遥かに及ばない惨憺たるスタートで始まり、2週後にはアカデミー6部門を受賞することになるスピルバーグ監督の『フォレスト・ガンプ』が公開されて更に落ち込みます。結局『ワイアット・アープ』が受賞できたのはゴールデン・ラズベリー賞2部門だけでした。また、前年には同じくワイアット・アープとドク・ホリデーを配して『OK牧場の決斗』を描いた『トゥームストーン』が公開済みで、こちらはテンポの良い娯楽作で興行収入も評価も高く、その翌年に同じストーリーで190分の生真面目な伝記映画が出てきたらこうなる結果は明らかです。181分だった『ダンス・ウィズ・ウルヴズ』がロングランヒットしたのは内容が良かったからで、3時間超の西部劇でも問題なしと判断するのは間違っていました。
壮大な映像と音楽、豪華な出演陣で、内容的にはそこまで悪くないのですが、ただただ “長い” … 伝記映画らしく、「伝説になったワイアット・アープとはどういう人物だったか掘り下げて描く」こともできていますが、このワイアット・アープ自体が “家父長制で養われた男性主義と強迫的信念を持った堅物” として描かれているので、その人物像で3時間越えはキツイよということです。だからワイアット・アープとは正反対のドク・ホリデーが登場する後半はストーリーが活性化します。また、3時間もあるのに編集がまるでイケてない。様々なエピソードが断片的に差し込まれてはブツッと切れ、エピソード間の関連性を考えて編集しているのかさえ良く分かりません。とはいえ上映時間というマイナスを除けば、30秒で終わる「OK牧場の決斗」を含めてトータルで一人の人物像を描き切るので、西部劇うんぬんに関わらず、かなりしっかり作られた楽しめる伝記映画でした。
