| 原題 | All We Imagine as Light |
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| 製作年 | 2024 |
| 製作国 | フランス・インド・オランダ・ルクセンブルク |
| 監督 | パヤル・カパーリヤー |
| 脚本 | パヤル・カパーリヤー |
| 音楽 | トプシー、 エマホイ・ツェゲ=マリアム・ゴブルー |
| 出演 | カニ・クスルティ、 ディヴィヤ・プラバ、 チャヤ・カダム、 リドゥ・ハールーン、 アジーズ・ネドゥマンガード、 アーナンドサミー |
2024年のカンヌ国際映画祭でグランプリに輝いた作品です。パルムドールはアカデミーをも制した『ANORA アノーラ』でしたが、『アプレンティス:ドナルド・トランプの創り方』、『サブスタンス』、『エミリア・ペレス』、『憐れみの3章』、『聖なるイチジクの種』、『グランドツアー』など、多くの著名監督の作品を押しのけての受賞でした。
この映画はインドの巨大都市ムンバイで働く3人の女性労働者を描いた作品です。他の多くの国のように、娯楽映画大国インドにも庶民的な映画がきちんと存在していることの発見には繋がりますが、描かれているテーマや描き方に “新しい風” や “嬉しい驚き” は感じません。ただ、「この手の映画」の基本に沿って忠実に丁寧に描かれています。そして、この年の審査委員長であるグレタ・ガーウィグは恐らく自分なりの1本を発掘したいと考え、年々レベルアップしている “インディーズの雄” の次に、自分と同じ女性監督の無名作品を選んだのかもしれません。
映画の話の戻ると、3人の女性労働者は皆それぞれの理由で自由を奪われています。プラバは見合い結婚した夫がすぐに海外に行ってしまい、ほとんど知らない夫によって制度上は既婚女性として生きなくてはなりません。アヌは一見すると自由を謳歌していますが、恋人がイスラム教徒であるため、家族との関係を断ち切らない限り恐らく結婚することは困難でしょう。パルヴァティは長年住んだ住まいを再開発によって追われようとしています。都市は新たに発展する一方で、元からの住人や貧しい人々を排除するのです。彼女たちはムンバイで息苦しい人生を送っています。しかし、物語の後半でムンバイを離れた途端に幻想的な展開となり、3人は少しだけ自由を感じるのです。インドが抱えている様々な問題に触れつつ、そこに深入りせずに映画は登場人物の女性たちをそっと見守ります。ラストも希望と言えるまでの終わり方ではありません。大きな問題は起きずとも、小さな孤独を遠くから描く。そんな作品でした。
