フィフィ大空をゆく

原題 Fifi la plume
製作年 1965
製作国 フランス
監督 アルベール・ラモリス
脚本 アルベール・ラモリス
音楽 ジャン=ミシェル・ドフェイ
出演 フィリップ・アブロン、 ミレイユ・ネーグル、 アンリ・ランベール、 ラウール・ドルフォス

これまでの4作品で主人公だった少年を、こんどは大人にしてみました。しかも泥棒です。チャップリン映画のような “子供のような精神を持った大人” を真似たのかもしれませんが、”子供じみている” と “まるで子供のような” は似て非なるもの。そして、これまでの技術性&芸術性を生かした作品から大衆的なコメディ路線に変更しようとしましたが、もしフィフィが空を飛ばなければ何の深みも捻りもドラマもない「あまり笑えないコメディ」です。

唯一の特徴と優位性はラモリス監督の真骨頂である “飛行” ですが、いかんせん風船と人間では2万倍くらい重さが違います(風船は2~3g)。風船は極細のテグスで簡単に操れますが、人間を飛ばすには太いワイヤーが必要です。上映当時の35mmネガをプリントした粗い映像なら誤魔化せたかもしれませんが、デジタルリマスタされたものを高精度のディスプレイで見ると、まあワイヤーがくっきりと見えるではありませんか。これはラモリス監督が悪いのではなく “時代のせい” なんですが、なんかなぁと思ってしまう訳です。デジタルリマスタしたらワイヤーも簡単に消せるはずですが、「オリジナルを編集してはいけないという呪縛」のせいで逆に粗(あら)が目立ってしまう訳です。

この作品はカンヌ映画祭で技術大賞を受賞しましたが、大衆向け作品に限界を感じたのかラモリス監督はこの後ドキュメンタリー作品に回帰し、1978年に撮影中のヘリコプター事故で亡くなってしまいました。個人的には『赤い風船』までの短編ファンタジー路線を突き詰めて欲しかったなと思いますが、当時の技術的に風船と気球(『素晴らしい風船旅行』)以外のネタがもう無かったのかもしれません。

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